日本ではまだ一部の、動物好きの人たちか、手芸好きなど毛に興味のある人たちにしかあまり知られていないアルパカですが、欧米諸国ではアルパカ認知度はもっと高いようです。
たとえばオーストラリアでは、有名デパートに、いろいろな牧場やメーカーから集まったアルパカ製品を販売する「アルパカ・ブランド」のショップがあります。いわゆるアルパカ製品のアンテナ・ショップのようなものです。
アルパカの毛でつくられる製品には、セーター、コート(襟にフェルトのアルパカなど)、マフラーなどの衣料品がよく見られます。アルパカ100%のセーターだけでなく、アルパカ70%・シルク30%などの混紡のものもあります。また、おなかや足などの部分からとれるランクの低い、短い毛は、ふとんや枕の中味として詰め物にしたり、バッグや帽子などの小物類、カーペットやひざかけ、ピクニックシートなどに利用されています。テディベアの詰め物が、アルパカの毛のものもあったりして、用途は実に広範にわたり、無駄なく使われています。
ちなみにアルパカの寿命は、約16年。ただし、美しい毛がとれ、繁殖に使えるなど商品価値があるのは10〜12歳くらいまでだそうです。「クーラルー牧場」のジェニーさんの牧場では、商品として毛刈りができなくなったアルパカたちは、あとはゆっくりのんびり余生を過ごしています。
アメリカなどでは、コンパニオン(ペット)として、アルパカを飼っている人もいるらしいです。大きさもポニーくらいというか、グレートデーンという大型犬を飼うことを思えば、たしかに飼えないサイズではありません。そのうえ、あんなにチャーミングで、かつ攻撃性のない動物なので、コンパニオンとして飼いたくなる気持ちはよくわかります。ただし、アルパカは群れる動物ですから、1頭ではストレスがかかりすぎるのでNG。
最低でも2頭以上で飼育しないといけないそうなので、日本の住宅事情ではコンパニオンとしてはちょっと無理そうです。
ただ、そうした事情はオーストラリアでも同じ。動物は好きでも、都会では飼えないという人が、牧場に、自分のアルパカを飼育管理してもらう「アジストメント」という制度があります。リタイア後に、仕事ではなく老後の楽しみとして「ホビーファーム」(趣味の牧場)を持ちたいと希望し、アルパカを早いうちから買い、繁殖させて数を増やしておきたいという人や、投資目的の人もいるそうです。日本でも、馬主さんが、自分のウマを乗馬クラブなどに置いてもらって調教や管理してもらうのと同じような感じです。
いずれにせよ、アルパカ・ファンが、世界に少しずつ広がりを見せているのは確かなようです。